マンション大規模修繕工事における屋上防水の役割と特徴とは

マンション大規模修繕工事における屋上防水の役割と特徴とは

マンションや建物の大規模修繕工事はさまざまな工事があります。外壁部分を補修工事する外壁工事から雨漏りなどを対策する防水工事。共用部分の廊下などの床シート工事など。

その中で今回は建物やマンションなどの屋上部分に特化した屋上防水工事について、その特徴と役割などについてプロの業者の専門家の目線から解説させていただきます。
工事の特徴や専門業者の選び方など役に立つ情報をご紹介しますので参考にしてみてください。

目次

大規模修繕工事の基礎と屋上防水工事の重要性について

まずはマンションや建物などで行う大規模修繕工事と屋上防水工事についてご説明します。

大規模修繕工事とは何か、その必要性とは

大規模修繕工事とは、建物の寿命を延ばすために必要な、大がかりなメンテナンスのことを指します。この工事は、通常10年に一度程度行われ、建物の外壁塗装や屋上防水など、建物の耐久性を向上させるために必ず必要な工事になります。大規模修繕工事はコストがかかるものの、それによって建物の劣化を防ぎ、長期的な維持管理コストを削減することが可能となります。またしっかりと定期的に修繕工事を行うことで住人への安全と安心も担保できます。
大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、長期的な維持管理コストを削減するために必要な工事です。その中の工事の一つが屋上防水工事になります。

大規模修繕工事について、別の記事で詳しくご紹介していますので気になる方はこちらもご覧ください。

屋上防水工事の重要性について

屋上防水工事は、建物の健康を維持するために非常に重要です。特にビルやマンションでは、屋上は雨や雪、太陽などの自然要素に直接さらされています。その結果、屋上は劣化が進む可能性が高く、適切な防水工事がなければ、水漏れや構造的なダメージが発生する可能性があります。また、屋上防水工事は建物全体の保守において大きな割合を占めるため、しっかりとした技術力のある適切な施工業者を選ぶことが重要です。

屋上防水工事は、建物の健康を維持し、雨漏りや構造的なダメージを防ぐためにとても重要な工事になります。劣化を防ぐためにもしっかりと定期的に施工、補強を行いましょう。

大規模修繕工事における屋上防水の種類と特性

屋上防水の種類にはおもに「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」
の4つがあります。
それぞれの防水方法には特性と利点がありますが、状況や条件により適切な方法が異なります。選択する際には、建物の状態や予算、長期的なメンテナンス計画を考慮することが重要です。
それではそれぞれの特性についてみていきましょう。

ウレタン防水:特徴、耐用年数、費用相場

ウレタン防水は、液体のウレタン樹脂を用いて防水層を作る方法です。複雑な形状の屋上にも対応でき、費用も比較的低いため、よく使われます。主に「通気緩衝方法」と呼ばれる工法が用いられ、これは防水層の膨張を防ぎ耐久性を向上させます。ウレタン防水の寿命は約10~12年で、1㎡あたりの費用は3,500円~6,000円が相場です

ウレタン防水のメリットは、他の方法に比べてコストが低く、継ぎ目のない防水層を形成でき、複雑な形状の屋上にも適応できることです。これらの特性から、特にマンションやビルでよく用いられます。
一方、デメリットとしては、乾燥期間が必要で工事期間が長くなること、そして職人の技術力が仕上がりに大きく影響することが挙げられます。そのため、ウレタン防水を選択する際は、経験豊富な業者を選ぶことが重要となります。

FRP防水:特徴、耐用年数、費用相場

FRP(繊維強化プラスチック)防水は、ガラス繊維のマットにポリエステル樹脂を塗装することで防水層を作る方法です。これにより継ぎ目のない、高い防水性を持つ層が形成されます。耐用年数は10年〜15年で、費用は1㎡あたり5,000円〜7,000円が一般的です。

メリットとしては、軽量で耐水性、耐久性、耐熱性が高く、均一な厚さで施工でき、乾燥も早いため工期が短いことが挙げられます。そのため、短期間で防水工事を終えたい場合に適しています。

一方、デメリットとしてはコストが高く、施工時に臭いが発生し、紫外線に弱いこと、そして広い面積に対する施工が難しいことがあります。そのため、大きな面積に対する防水よりも、ベランダなどのより小さな範囲の防水に適しています。

シート防水:特徴、耐用年数、費用相場

シート防水は、ゴムや塩化ビニール製の防水シートを下地に敷き、防水層を作る方法です。以前はゴムシートが多く用いられましたが、飛来物によるダメージが問題となり、現在ではより耐久性のある塩化ビニールシートが一般的になっています。耐用年数は10年〜15年で、費用は1㎡あたり4,000円〜5,000円が相場です。

メリットとしては、価格が安く、工期が短いため人件費を抑えることが可能な点が挙げられます。
一方、デメリットとしては施工時に振動と騒音が発生し、複雑な形状の場所に対する施工が難しいという点があります。特に、振動と騒音の発生は、事前に入居者や近隣住民への説明が必要となります。

アスファルト防水:特徴、耐用年数、費用相場

アスファルト防水は、液状の溶解アスファルトとアスファルトシートを組み合わせて防水層を作る工法で、マンションやビルで長年にわたり信頼されて使われてきました。この工法には3つの種類が存在します:「熱工法」は耐久性の高い防水層を作り、「常温工法」は常温のアスファルト材と改質アスファルトを用いて防水層を作り、「トーチ工法」は改質アスファルトを溶かして高い水密性の防水層を作ります。各工法は工期や費用が異なるため、比較することが重要です。

アスファルト防水の耐用年数は15年〜20年程度で、費用は1㎡あたり4,500円〜8,000円が相場です。

メリットとしては、耐荷重性と密閉性が優れており、他の防水工法に比べて耐用年数が長いこと、さらに古くから使われているため信頼性が高い点が挙げられます。
デメリットとしては、工期が比較的長く、費用が高いこと、そして熱工法やトーチ工法を使用すると悪臭が発生する点があります。

屋上防水工事を行うマンション修繕工事業者の選び方

屋上防水工事を適切に行うためには、技術力の高い信頼性のある業者を選ぶことがとても重要です。ここではマンション大規模修繕工事を行う施工業社の選び方について4つのポイントをご紹介します。

屋上防水工事の過去の経験と実績をみる!

検討している業社がある場合はその業社が過去に屋上防水工事を行なっているか、また今回お願いしようとしている規模、大きさなどと似た建物を施工したことがあるのか、などを必ず確認しましょう。
経験があれば、ある程度のトラブルが起きた場合の対処方法や施工の技術の品質に信頼性がおけることができると思います。業社のホームページなどから過去の実績を確認することをおすすめします。

施工業社の資本金も確認しておく!

施工会社の資本金を確認しておくことも大事です。せっかくお願いした施工会社が実はあまり資本金がなく、会社自体が危ない会社の可能性もあります。最悪の場合は施工している途中で急に倒産することもあります。
しっかりと資本金はどのくらいあるのか、会社として安定した経営基盤があるのかも重要なポイントです。

レスポンス、対応の速さも確認しておきましょう!

お問い合わせや見積もり依頼をした際の施工業社の対応がどのような感じなのか、確認しておきましょう。対応が早い業社は信頼性も高いです。いざ、工事が始まってから何かトラブルが発生した場合にすばやく柔軟に対応してくれる業社を選んだほうが、マンションや建物に住んでいる住人たちにも安心感を与えることができます。見積もりの金額だけでなく、応対などもしっかりと判断材料に考慮しましょう。

紹介された業社でもしっかりと確認を!

マンションの大規模修繕工事などを行う際、管理会社さんが入っている場合、管理会社がおすすめする施工業社を紹介される場合が多いです。管理会社がしっかりと判断し、選んだ施工会社なので、大きな問題はないですが、中には中間マージンがほしいだけで適当に紹介する管理会社も存在してしまいます。紹介された施工業社を自身でしっかりと確認することも重要です。
また、紹介をされるだけでなく自身で探してみて、良いところがあれば、複数社で見積もり依頼し、検討することもおすすめします。

失敗しないための業社選びについて、別の記事で詳しく説明しています。ご興味がある方はこちらもご覧ください。

防水工事完了後の検査を行うことの重要性

完了検査は、防水工事が適切に行われ、期待通りの結果が得られたかを確認するための重要なプロセスです。この検査によって、工事の品質を保証し、必要な場合には修正措置を講じることができます。

完了検査では、自身でも目視チェックを行うことが重要です。特に防水工事でのチェックポイントは「防水層のひび割れ」です。ひび割れを見落とすと、雨漏りや建物の損傷を引き起こし、再工事や他の修繕工事が必要になる可能性があります。完了検査では、普段は見ない場所や端部も細かく確認することが必要です。こうすることで、問題を早期に発見し、予防することができます。

防水工事の保証期間やアフターフォロー体制を確認することの重要性

防水工事の保証期間やアフターフォロー体制は、施工業者がその作業に対する責任と顧客サポートをどう考えているかを示す重要な要素です。

保証期間やアフターフォローの内容によって、万が一の不備や雨漏りの場合でも無償で再工事してくれるかが異なります。業者によって保証期間や内容が異なるため、屋上防水工事を依頼する際には、必ず保証について確認しましょう。これにより、安心して工事を行うことができます。

これまでの防水工事の実績を確認することの重要性

繰り返しになりますが、防水工事を失敗しないためにも施工業社の過去の実績を確認することはとても重要です。これまでの防水工事の実績は、施工業者の技術力と経験を評価する上で非常に参考になります。実績が豊富な業者は、様々な状況に対応する能力や問題解決スキルが確立されていると言えます。

さらに、過去の工事の詳細を確認することで、その業者があなたのプロジェクトに適しているかどうかを判断する材料にもなります。例えば、類似の建物や環境での工事経験がある業者は、そのプロジェクトの特性を理解しやすく、失敗のない工事ができる可能性があります。

まとめ

今回はマンションや建物で行う大規模修繕工事の一部の工事、屋上防水工事についてご紹介しました。工事の内容をしっかりと理解し、知識を増やすことで失敗のない工事を進めることができます。
ご紹介した内容を参考にし、適切な施工業者を選び、適切な方法で失敗のない工事ができれば幸いです。ぜひ、ご参考にしてください。

マリオン株式会社 取締役副社長 永見 洋昭
マリオン株式会社 取締役副社長 永見 洋昭

一級塗装技能士であり、現在マリオン株式会社の副代表も務める。建築業界に10年以上在籍している経験と知識で現場から営業まで幅広く携わる。

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