マンションや建物、ビルなどの外壁塗装工事は外観の見た目、美しさを守るためや建物を外気から守る耐久性の補強などの要素があります。一般的には定期的に行う大規模修繕工事の一部として外壁の塗装工事が行われるのが一般的です。ですので問題がなければ、周期的に行う修繕で対応すれば問題はありませんが自然災害や経年の劣化により、急遽、外壁だけ工事する場合もあります。
今回は大規模修繕工事の専門業社であるマリオンからみた外壁塗装工事におけるポイントや注意点などをご紹介します。こちらの内容を知っているだけで定期的に行う修繕工事の際や外壁工事を依頼する際の参考にしていただけれと思います。
目次
なぜ、マンションや建物は外壁塗装工事を行うのか?
どうして、マンションやビル、建物などは外壁の塗装工事が必要になるのでしょうか?まずは塗装工事の基礎知識や必要性について解説します。
塗装工事の基礎知識
塗装工事とは建物の外壁に塗料を塗る作業のことです。この作業は建物の保護と美観維持を目的として行われます。外壁は風雨や紫外線などの外部要因にさらされるため、時間の経過とともに劣化していきます。劣化が進むと、建物自体が傷んだり、見た目が損なわれたりすることがあります。そのため、定期的な塗装工事が必要となります。
塗装工事の必要性
なぜ建物に塗装工事が必要なのでしょうか?塗装工事には以下の目的があります。
1. 防水効果の向上:塗料には防水性があり、外壁に塗ることで建物内部の水の浸入を防ぎます。これにより、雨漏りや湿気による腐食を防止します。
2. 保護効果の向上:外壁を塗ることで、風や紫外線から建物を保護します。これにより、外壁の劣化や色褪せを防ぎ、建物の寿命を延ばします。
3. 美観維持:外壁の色や質感は建物全体の印象を左右します。定期的な塗装工事により、建物の美観を保ち、周囲の景観に調和させます。
これらの理由から、建物の保護と美観維持のためには定期的な塗装工事が不可欠です。

マンションの外壁工事を行う時期と概算費用
塗装工事をすべきタイミングを見極める方法
塗装工事をすべきタイミングを見極めるには、以下の方法があります。
1. 築年数で見極める方法:一般的な目安として、木造住宅では10年から15年、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物では15年から20年ごとに塗装工事を行うことが推奨されています。ただし、地域や気候条件、建物の状態によっても異なるため、専門業者に相談することが重要です。
2. 劣化症状で見極める方法:外壁にひび割れや剥がれ、色褪せ、コーキングの劣化などが見られる場合は、塗装工事の必要性が高いサインです。建物の外観や外壁の状態を定期的にチェックし、異常があれば早めに対処しましょう。
塗装工事の概算費用について
外壁塗装工事の内容と流れ
足場工事の設置
養生の手順と役割
高圧洗浄・下地処理のプロセス
下塗り・中塗り・上塗りの手順と塗料の役割
足場解体と完了検査

信頼できる外壁塗装業者の選び方
建物診断がしっかりしているかのチェックポイント
建物の状態を正確に把握するために建物診断を行います。建物診断には目視での点検や特殊な機器を使用した診断が含まれます。建物診断の結果に基づいて、適切な施工計画や塗装方法を提案してくれる業者を選ぶことが重要です。
見積書の内容と金額の根拠が明示されているかのチェックポイント
見積書の内容や金額を明確に示すことができます。見積書には、作業内容や使用する塗料、工程、費用の内訳などが詳細に記載されているはずです。また、金額の根拠や割引条件なども明示されているかを確認しましょう。明確な見積書は、後々のトラブルを避けるためにも重要です。
報告書の作成、保証・アフターフォローの充実度のチェックポイント
塗布量や塗り重ね乾燥時間など、施工に関する細かな要素にも配慮しています。また、施工後の報告書や保証、アフターフォローの充実度もチェックポイントとなります。良質な塗装業者は、施工だけでなく、施工後のサポートも行ってくれるため、安心して任せることができます。
外壁塗装の費用相場と見積もりのポイント
次に、外壁塗装の費用相場と見積もりのポイントについて説明します。
外壁塗装の費用相場の説明と参考価格表の提供
建物の状態を正確に把握するために建物診断を行います。建物診断には目視での点検や特殊な機器を使用した診断が含まれます。建物診断の結果に基づいて、適切な施工計画や塗装方法を提案してくれる業者を選ぶことが重要です。
外壁塗装の見積もりのポイントとチェックすべき項目
外壁塗装の見積もりを受ける際には、以下のポイントに注意しましょう。
1. 施工内容の詳細:見積書には塗装工程や使用する塗料、工期などの詳細が明記されているか確認しましょう。
2. 費用の内訳:見積書には費用の内訳が明示されているはずです。各項目の金額や計算方法に納得がいくかを確認しましょう。
3. 追加費用の有無:予期せぬ追加費用が発生する可能性がある場合、それに関する明確な説明がなされているか確認しましょう。
4. 保証内容:業者から提供される保証の内容や期間についても確認しましょう。
見積もりを複数の業者から取ることで、価格や内容の比較ができ、適切な業者を選ぶことができます。施工業社の見積もり依頼をするポイントや注意点など別の記事で詳しくご紹介しています。ぜひご興味がある方は下記のこちらの記事もご確認ください。
外壁塗装工事の流れと期間
近隣挨拶から足場解体・完成までの工程の詳細説明
外壁塗装にかかる期間とその説明
外壁塗装工事に関連する注意点
外壁塗装工事に関連する注意点などを以下で詳しく説明します。
外壁塗装中の生活についての事前の押さえどころ
外壁塗装を行うべきタイミングと劣化のサイン
外壁塗装の季節ごとのメリットとデメリット
外壁塗装と同時に行うべきその他の工事
外壁塗装と同時に、屋根塗装や防水工事などを行うことで、効率的な工事やコスト削減が可能です。例えば、足場を組むタイミングを活かして複数の工事を同時に行うことで、経済的なメリットが得られる場合があります。とくにマンションやビルなどの建物には大規模修繕工事が必ず必要になります。外壁の塗装のタイミングでその他の補修、修繕を行うタイミングでもありますので検討することもおすすめです。
マンションやビルなどの建物で一般的に行われるさまざまな工事をする大規模修繕工事について、別の記事にて詳しくご紹介しています。ご興味がある方はこちらもご参考ください。
外壁塗装の費用相場と節約方法
外壁塗装の費用相場について説明します。一般的な相場は、平方メートル当たり数千円から数万円とされています。ただし、具体的な費用は建物の規模や状態、塗料の種類によって異なります。外壁塗装の費用を節約するためには、以下の方法があります。
1. 複数の業者から見積もりを取る:複数の業者から見積もりを取ることで、価格の比較や交渉の余地が生まれます。
2. 施工のタイミングを計画する:施工の混雑時期や季節によって価格が変動することがあります。お得な時期やキャンペーンを狙って施工を計画しましょう。
3. 塗料の選択:塗料の種類によって価格や耐久性が異なります。予算に合わせて適切な塗料を選びましょう。
4. メンテナンスの徹底:定期的なメンテナンスを行うことで、劣化を早める要因を排除し、長期的な費用削減につながります。
外壁塗装工事のトラブル対策
外壁塗装に関するトラブル対策について説明します。外壁塗装においては、以下の注意点に留意することが重要です。
1. 悪徳業者への注意:信頼できる業者を選ぶためには、適切な対策が必要です。口コミや評判の確認、実績や資格の有無のチェックなどを行いましょう。
2. 契約書の確認:契約書には施工内容や費用、保証内容などが明記されているはずです。不明点や疑問点があれば、業者に確認しましょう。
3. 途中解約に関するルール:途中での解約や変更に関するルールや費用の請求方法についても確認しましょう。
また、トラブルを防ぐためには、適切な施工管理や工事の進捗状況の確認、施工後の報告書の作成なども重要です。
まとめ
今回は外壁塗装工事について、ご紹介しました。一般的にはマンションや建物の定期的な修繕を行う大規模修繕工事の一部として行う場合が多いですが、外壁は劣化によるトラブルが多い箇所にもなります。外壁塗装工事で外観をきれいにしたり、建物の耐久性を維持するなど、とても重要な工事になります。外壁塗装工事の内容を知っていることで、今後の工事を行う際の目安になったり、外壁工事をお願いするタイミングなどを知ることができます。
ご紹介した内容を参考に外壁塗装工事を知り、きれいで耐久性のある建物を目指しましょう。

マリオン株式会社 取締役副社長 永見 洋昭
一級塗装技能士であり、現在マリオン株式会社の副代表も務める。建築業界に10年以上在籍している経験と知識で現場から営業まで幅広く携わる。