マンションの大規模修繕工事でトラブルを避ける方法

マンションの大規模修繕工事でトラブルを避ける方法

マンションの大規模修繕工事は、時間も長く、さまざまトラブルが発生することが多くあります。 それは工事や施工業者との連携によるミスだけではなく、そこに住む住民たちによるトラブルもあります。 大きな問題にならないためにも予防と対策をしっかりとすることでトラブルを避けることもできます。 計画通りスムーズに工事進行を目指すためにも、この記事では、マンションの大規模修繕工事で起こり得るトラブルとその回避方法について解説します。

目次

マンション大規模修繕工事でよくあるトラブルとは

ここではマンションの大規模修繕工事を行うにあたって、よくあるトラブルの種類とその原因についてご紹介します。

工事中のミス

大規模修繕工事において最も多く発生するトラブルの一つに、「工事中のミス」があります。工事業者のミスにより、建物の構造や配管が傷ついたり、騒音や振動によって住民に迷惑をかけたりすることがあります。 このようなトラブルを避けるためには、質の高い工事業者の選定や工事期間中もしっかりとコミュニケーションをとることが重要です。 特に初心者の方は、わからないことが多いので工事業者に事前に工事内容や工期について確認するようにしましょう。

工期の延長

工期が延長された場合、住民にとってはストレスや不便さが生じます。これを避けるためには、事前に工期についての確認をしっかりと行い、余裕を持ったスケジュール計画を立てることがとても大切です。 また、住民への適切な情報共有も欠かせません。工事期間中に工期の延長が予想される場合は、早めに住民に報告することで、住民の理解と協力を得ることができます。 しかしながら、台風や災害の影響でどうしても工事が遅れてしまう場合もあります。しかたがない部分もありますが、とくに台風が多い季節などはいつも以上に余裕をもったスケジュール管理をしましょう。

予算オーバー、コストオーバー

大規模修繕工事において最も問題となるトラブルの一つが、予算、コストオーバーです。莫大な費用がかかるため、予算を超過してしまうと管理組合や住民に負担がかかる場合もあります。 予算、コストオーバーを防ぐためには、事前の打ち合わせでしっかりと金額面の確認をすることが重要になります。業者によっては見積もりと実際の工事費用が大きく違うというケースもあります。このような業者は良い業者とはいえません。ですので、業者を選定することはとても大事でトラブル避けるために重要です。 見積もりだけで判断するのではなく、しっかりと金額面でも追加で費用が発生するのか、発生する場合はどのくらいの金額が想定されているのか、などもしっかりと確認しましょう。 また、見積もりに含まれる工事内容について、住民にわかりやすく説明することも大切です。住民が工事内容を理解することで、予算超過につながる不必要な工事を回避することができます。 さらに、余裕をもった予算の立案も必要です。予算に余裕を持たせることで、予期せぬ出費にも対応できます。大規模修繕工事では、予算、コストオーバーに十分に注意し、適切な対策を講じることが必要です。

近隣トラブル

工事中の騒音や振動、通行の制限などによって、近隣住民に迷惑をかけることがあり、それらが原因でトラブルが発生します。
このようなトラブルを防ぐためには、事前の情報共有が重要です。工事内容や工期などを事前に住民に通知することで、住民が理解し協力することができます。
また、工事期間中には近隣住民とのコミュニケーションを密にすることも重要です。住民が不満を感じた場合には、迅速に対応することで、トラブルを回避することができます。
さらに、事前に近隣住民にお詫びや配慮を行うことも大切です。

近隣住民との良好な関係を築くことで、トラブルを未然に防ぐことができます。選定業者もこのように住民への配慮をしっかりと考えているかなどもしっかりと確認しておきましょう。

大規模修繕工事のトラブルが発生した場合の対処法

大規模修繕工事においてトラブルが発生した場合、管理組合や管理会社、施工業者に相談することやが重要です。トラブルが発生したときはしっかりと話し合い、解決に向けてお互いが協力し合うことも大切です。工事の目的は無事にマンションを修繕することになります。もし自分たちだけではどうしても解決できない場合は公益財団法人マンション管理センターに相談することをおすすめします。

日本で唯一、国土交通大臣から「マンション管理適正化推進センター」として指定された機関で、マンション管理に関するさまざまなサービスを提供しています。
相談窓口では、マンション標準管理規約やマンションに関する法令を参考に、中立的な立場でトラブル解決にむけてアドバイスしてもらえます。
困ったときに頼れる貴重な機関です。積極的に活用しましょう。

マンション大規模修繕工事のトラブルを避けるためのポイント

大規模修繕工事でのトラブルを避けるためには、事前の準備と対策がとても大切になります。
繰り返しになりますが重要なポイントになりますので要点をまとめてご紹介します。

工事業者の選定

しっかりとした信頼のできる業者を選びましょう。1社だけ見積もり依頼するのではなく、必ず数社から見積もり依頼し、複数で比較します。

そして、見積もりの金額だけで選定するではなく、見積もり依頼した際の応対や金額面の内容の確認などしっかりと判断しましょう。

事前の情報共有

住民に対して工事の概要や工期、工事箇所、工事内容、交通規制などの情報を十分に伝えることが必要です。
情報共有は、住民が理解し協力することにつながります。

また、住民からの意見や質問にも丁寧に回答することが大切です。住民の不安や疑問に対して、十分な説明を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
さらに、住民からの要望や提案にも応えることで、工事に対する理解や協力を促すことができます。

工事期間中のコミュニケーション

大規模修繕工事期間中のコミュニケーションは、トラブルを未然に防ぐために重要です。 住民とのコミュニケーションは、工事の進行状況や住民からの要望や提案に応えることができます。コミュニケーションにより住民に安心感を与えることで、工事に対する理解や協力を促すことができます。 また、住民からの不満や問題があった場合は、迅速に対処することが必要です。住民が不安や不満を持つと、トラブルにつながることがあります。 さらに、工事業者とのコミュニケーションも重要です。工事進行状況や問題点などを共有し、円滑な工事進行を促すことができます。コミュニケーションを通じて、工事業者と住民が協力し、スムーズな工事進行を実現することが必要です。

まとめ

大規模修繕工事においては、工事中にトラブルが発生することがあります。しかし、トラブルは未然に防ぐことができます。 今回ご紹介したこちらの内容を参考にトラブルの発生しない、またはトラブルが発生しても早めに解決できるようにしましょう。
マリオン株式会社 取締役副社長 永見 洋昭
マリオン株式会社 取締役副社長 永見 洋昭

一級塗装技能士であり、現在マリオン株式会社の副代表も務める。建築業界に10年以上在籍している経験と知識で現場から営業まで幅広く携わる。

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