建物の外壁塗装をするときは、どのような塗料を使ったら良いのでしょう?

外壁塗装工事では、使用する塗料によって費用も耐久性も大きく違ってきます。
次の6つのポイントを事前におさえて塗料選びに必要な基本的知識を身につけましょう。

1.外壁塗装に使う塗料の種類は非常に豊富です

外壁塗装に用いる塗料にはとても多くの種類があり、各メーカーから提供されている商品を合わせた数は、100や200では収まりません。

それらの塗料を大まかに分けると次の7つとなります。

上の図のとおり、塗料はアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素といった合成樹脂を成分とするもの、塗膜を劣化させてしまう原因物質であるラジカルの発生を抑えるラジカル塗料のほか、太陽光から発せられた熱を吸収する断熱塗料や、汚れを浮かせて雨で洗い流す光触媒などの付加価値を持った塗料に分けることができます。

図の左から右に進むにつれて、価格と耐久性が高くなっています。

また、塗料にはそれぞれのグレード毎に「水性」と「溶剤」があります。

水性と溶剤の違いについては後述しますが、水性タイプの塗料や溶剤タイプの塗料は、更に「1液型」「2液型」に分かれます。

例えば、同じシリコン塗料であっても、

    • 水性1液型シリコン塗料
    • 水性2液型シリコン塗料
    • 溶剤1液型シリコン塗料
    • 溶剤2液型シリコン塗料

上記のように分けられるため、どのシリコン塗料を選ぶのかによっても価格や耐久性が違ってきます。
外壁塗装に使用する塗料には、じつにさまざまな種類があるのです。

2.7つに分類した塗料を比較します

外壁に使う塗料を大まかに7つのグレードに分けてご説明しましたが、それらをまとめて比較したものが下の表です。

塗料の
グレード
耐用年数 特徴 1m2あたり
設計単価
アクリル 4~7年
  • 安価
  • 耐久性が低い
1,800~2,500円
ウレタン 6~10年
  • 鉄部や外壁に幅広く対応
2,000~3,500円
シリコン 10~15年
  • 耐久性が高い
  • コスト面で割と優れている
2,400~4,000円
ラジカル 12~16年
  • 価格はシリコンより少し高い
  • 近年登場した新ジャンル
3,000~4,500円
フッ素 15~20年
  • 耐久性が非常に高い
  • 価格が高い
4,200~5,000円
断熱 10~15年
  • 断熱効果を得られる
  • 汚れがつきやすい
4,000~6,000円
光触媒 15年以上
  • セルフクリーニング効果によってきれいな外観を維持できる
  • 工事費が高い
5,000円~

分類した7つの塗料を比べると、それぞれ「耐久性」や「価格」の面でメリット・デメリットが存在することがわかります。

また、比較的高価な断熱や光触媒などの塗料は、他の塗料にはない独自の「付加価値」を持っています。

分類した各塗料の耐用年数や価格に幅が設けられているのは、先にご説明したとおり、たとえ同じグレードの塗料であっても「水性1液型」「水性2液型」「溶剤1液型」「溶剤2液型」に細かく分かれているためです。

上の表から塗料のグレード毎の大まかな特徴をつかんで、塗料選びの参考にしてください。

3.水性と溶剤、1液型と2液型の違いとは?


各グレードの塗料にはそれぞれ「水性1液型」「水性2液型」「溶剤1液型」「溶剤2液型」があることをご説明しました。

まず、水性と溶剤の違いについては次のとおりです。

    • 水性:塗料を使うときに「水」と混ぜる
    • 溶剤:塗料を使うときに「シンナーなどの溶剤」と混ぜる

塗料は、缶から出した状態ではドロッとした粘りをもっているため、外壁に塗るときには適度に薄める必要があります。

このときに混ぜるものが「水」であるか「溶剤」であるかによって水性と溶剤に種類が分かれています。

また、1液型と2液型については、

    • 1液型:1つの缶から出した塗料を水や溶剤で薄めて使用する
    • 2液型:「主剤」と「硬化剤」2つの缶から出した塗料を混ぜたあとに、水や溶剤で薄めて使用する

上記のように、1つの塗料缶から出した塗料を薄めてすぐに使える1液型と、主剤と硬化剤を一定の配合割合で混ぜ合わせ、それを薄めて使用する2液型といった違いがあります。

例えば、シリコン塗料を使った場合の水性1液型、水性2液型、溶剤1液型、溶剤2液型を比較すると次の表のようになります。

使用する塗料 耐用年数 特徴 価格
水性1液型
シリコン塗料
10年
  • 臭いが少ない
  • 材料単価が安い
  • あらかじめ主剤と硬化剤が配合されているため、作業性が高く、施工コストが安くなる
  • 他のケースに比べて耐久性や密着性の面で劣る
安い
水性2液型
シリコン塗料
12年
  • 臭いが少ない
  • 主剤と硬化剤を混ぜ合わせる手間や使用時間に制限があるなど、施工コストが高くなりやすい
  • 溶剤に比べて耐久性や密着性の面で劣る
安い
溶剤1液型
シリコン塗料
13年
  • 水性塗料より耐久性や密着性が高い
  • あらかじめ主剤と硬化剤が配合されているため、作業性が高く、施工コストが安くなる
  • 臭いがきつい
安い
溶剤2液型
シリコン塗料
15年
  • 他のケースに比べて耐久性や密着性が高い
  • 材料単価が高い
  • 主剤と硬化剤を混ぜ合わせる手間や使用時間に制限があるなど、施工コストが高くなりやすい
  • 臭いがきつい
高い

このように、シリコン塗料を使うときでもタイプによって材料価格や施工価格、耐用年数、臭いの発生などの面で違いがあることがわかります。

4.仕上がりの艶(つや)は4種類あります

外壁の仕上がりは大きく分けて次の4種類の光沢の中から選択することができます。

    • 艶有り
    • 7分艶
    • 半艶
    • 艶消し

一般的には、艶の無い塗料よりも艶がある塗料のほうが耐久性が高く、汚れにくいとされています。

雨や紫外線による影響を受けることが多い箇所については、艶消しよりも半艶を選んで仕上げるほうが良さそうです。

5.塗料メーカーはどこがよいの?

外壁塗料を扱っているメーカーは大小さまざまですが、日本の建築塗装の現場で使用されている塗料の約8割は大手の三大メーカーによるものです。
現在の大手三大メーカーは「関西ペイント」「エスケー化研」「日本ペイント」の3社で、自動車業界でいうトヨタ、ホンダ、日産のような存在です。

大手メーカーのうち1社から商品として提供されている塗料の種類は、外装の仕上げ材だけでも全グレードを合わせると100種類以上あり、販売実績も豊富です。

もちろん、大手メーカーでなくとも品質の高い塗料を開発されている会社もありますが、数あるメーカーの中からどの会社の塗料を使ったらよいのか迷ってしまったときは、この3社から販売されているものを選択すれば間違いは無さそうです。

6.適切な塗料を選ぶために必要なこと


このコンテンツでは外壁に使用する塗料について、

    • 塗料にはグレードだけでなく、水性と溶剤、1液型と2液型といった種類に分かれていること
    • 同じグレードの塗料でも、どのタイプを選ぶかによって価格や耐久性、施工中の臭いや作業効率などの面で違いがあること
    • 艶の有無によっても耐久性や汚れのつきにくさなどに差があること
    • 塗料を扱う会社から販売されている商品は数多くあること

をこれまでにご説明してきました。
では、外壁を塗装するときに最適な塗料はどのようにして選んだら良いのでしょう?

塗料選びは塗料そのものの性質だけでなく、外壁の材質や状態などによっても最適なものが変化します。

外壁の状況を施工業者に確認してもらい、希望する塗料によって施工した場合のメリットやデメリットの説明をしっかりと受けた上で、その中から「価格」「耐用年数」「工事中の臭い」などどの点を重視するのかで材料を選ぶのが良いでしょう。

おすすめの記事